箱根温泉といえどもたくさんの源泉がある。

湯ノ花沢 湯本 箱根 姥子 底倉 蛸川 塔之沢 仙石原 大平台 二ノ平 宮ノ下 宮城野 小涌谷 木賀 堂ヶ島 芦之湯 強羅 芦ノ湖 

KKRのホテルに泊まらないと入れない木賀温泉や、谷の底への急こう配を降りて向かうロープウエイの廃墟を眺めて入れなかった堂ヶ島温泉などがあるのだが、なかでも透明で、お湯のこくと充実感は二ノ平温泉が気に入っている。中でも亀の湯という温泉銭湯は蛇口からかけ流しの温泉がでて、すいており、気の向くまでお湯につかれる。タイル張りの緩やかにカーブした湯船はデザインも秀逸で、意識が溶けだしていくような感覚になる。近いころだと午前中で仕事が終わりひょいと神奈川県の入り口からロマンスカーを捕まえ湯本からバスに乗り換える。達者にバスの並びを、知識豊富なおじさんたちが乗客を仕分ける。亀の湯につかってなにも考えないで体が暖まるまでをまった。昼食を食べていなかったためそのままランチの終りかけのそば屋で、ひょいっとはいってついついひっかけてしまって夕方になる。小田原まで下ってきたところでこのまま小田急で帰るには新宿を通過する元気がなかったため、東海道新幹線に乗り換えた。だれとも話さない一人の行動は、単に誰かと向かい旅行というよりかは旅に近いと思う。そのために記憶が比較的気体のような状態で残っていることが多く、客観的に言葉に整理しないために毎回思い出すたびにやや違う角度からの説明になってしまう。