ある日性病に感染していた女性がいたため、私と嫁も検査をした。どうもこうもいいくるめて他の女性とは遊んでいないとしたうえで判定が私は陰性で嫁は陽性であった。こうなるとわたしも、陰性だから今はいいが、妊活をしていたことからすると十分に感染していた可能性は十分にある。となると、時期的に可能性がある女性たちに言わなくてはいけなくなってしまった。意外と覚悟はあっさりとできたもので、淡々と、ラインで送ることができた。好き嫌いがはっきりしてきたと嫁に言われて、そうなのかなあと思い返してみると、好き嫌いがはっきりしているよりか、覚悟がすぐできるようになったのではないかと思う。ここでも傍観者から当事者になるとそれぞれで対応が異なった。総じていうと私の性欲がさらになくなった気もする。そんななかすぐ看護師の彼女はとくにわたしにネガテイブな面を見せずに検査を受けてくれて陰性だったとのことで、改めて会うことにした。ちょうど温泉に行きたかったこともあり、山形での勤務を終えてすぐにビールを飲み、福島で下車をして、新幹線の改札をでて右側のベンチに座って待っていた。そんななか横浜のマンションの最上階に事務所を構える女性と比較的並行して会っていたが、どうもそちらには私が合わせている部分が大きいと気づいた。これは好きか嫌いかというと非常に難しい。だれしもしかし、好きな人であろうと、会うときになってちょっとしたメンドクサさを感じるのではないか。私は会う当日に、会う人とのやり取りが減る習性がある。それはなんだろうか。めんどうなのか。そうしたことを繰り返しているうちに昭和の古びた温泉で、実は風呂上りに廊下にゴキブリがいて、隣の部屋のドアを掻い潜り侵入していったことは隠し、白ワインに浸って就寝した。