どういう心持ちで待ち合わせ時間を迎えていいのかわからない。皆に平等に与えられている時間をどう処理して感じていいか、あえて時間を感じたくないと思うのは気圧のある朝の早起きに似ている。意識は線路の向こう側をさし、感染症由来ではない嗅覚の損失を感じながら、直線で歩きたいのだけれど、駅前はロータリーだと、無言で足取りは曲線を描く。見つかったナンバーの車にのり警察にもろもろを話した。脂が乗り始めた同年代の警察官と、若い警察官と、二人のやり取りの上でこちらからできるありったけを話し、一時間ほどはなし隣駅に降りた。降りるとそこは日常なのだが、秋の落ち葉が意識をかき回し、ついでタクシー乗り場から歩道に乗るとなんとなく意識が揺らぐ。